たまに京暮らし5-14_京都の平熱
講談社学術文庫の鷲田清一著「京都の平熱ー哲学者の都市案内」を読んだ。
本書は2015年、原本は2007年に刊行されている。
著者は1949年京都生まれ、京都大学、大学院を修了し、大阪大学教授、総長を務めた。
市営バス206番系統に乗り、京都駅から東回りにぐるっと一周する体裁で、生まれ育った都を案内する。
路線沿いには、京都の聖・俗・学、が揃う。
まず"東へ"、ラーメン文化の項に新福菜館と本家第一旭が登場する。
その向かいの京都まんぼは「べた焼き」の老舗で、現在は少し北側に移転したようだ。
"北へ"で紹介する安井神社は、表と裏にラブホテルが建つ縁切り社だ。
著者はここの絵馬ウォッチングをフィールドワークにしている。
"西へ"の「本家と元祖」は、今宮神社参道で向かい合う、あぶり餅の茶店のことだ。
店の人曰く、向かいとは何の関係もおへん。
"南へ"では「都市の聖と性」として、西本願寺とすぐ近くの島原を取り上げる。